アロマ検定1級用⑳ 歴史 ~中世~

アロマセラピストを目指しているYumiです^^


<歴史>

~ 中世 ~

蒸留法の発明と錬金術師
パキスタンのタクシラ遺跡では素焼きの蒸留器が発見され、紀元前3000年頃にはすでに蒸留技術が存在していたことが伺えます。
その技術はやがてギリシャやアラビアに伝わりアルコールや芳香蒸留水の製造に使われました。
その後、精油の蒸留技術は錬金術の中で発展し、17世紀ヨーロッパの香料産業において実用化されました。


アラビアの哲学者・医学者 イブン・シーナ
イブン・シーナ(980~1037年)は、ラテン名でアヴィセンナ、アヴィケンナ、アウィケンナとも呼ばれています。
哲学者として活躍しましたが、医学者としての名声も高く、芳香蒸留水を製造し医学に応用しました。
1020年頃に著した「医学典範(カノン)」は17世紀頃まで西洋の医科大学の教科書に使われていたほどです。


サレルノ医科大学
中世ヨーロッパでは僧院医学(教会や修道院を中心とした薬草中心の医学)が行われてきましたが、やがて職業としての医師が必要とされるようになり、ナポリから60kmほど南の港町サレルノでは、10世紀末にはギリシャ・ローマ・アラビア・ユダヤの四代文化圏の教師たちによって医学が教えられる施設が創設されました。
「サレルノ養成訓」はヨーロッパ全にもたらされ、そのカリキュラムは当時多くの大学が範としました。
1140年には「医療を行うものは、試験を受けて合格することを要する」という意味の布告がこの地の領主シチリア王によってなされ、医師の国家免許ともいれる制度がスタートしました。


十字軍の遠征と東西文化の交流
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の三宗教の聖地はエルサレムですが、1070年、このエルサレムがイスラム教徒に占拠され、さらにローマのビザンツ帝国が侵犯されます。このため、ローマ教皇はエルサレムの聖墳墓(キリストの埋葬された墓)奪還を最終目的に十字軍を派遣しました。
この遠征によって東西交流が盛んになり、東西のハーブや薬草、アラビア医学、精油蒸留法などがヨーロッパに伝わりました。


ハンガリー王妃の水の逸話
14世紀、ハンガリー王妃エリザベート1世が晩年に手足が痛む病気にかかり、気の毒に思った修道僧がローズマリーなどを主要原料とする痛み止め薬を献上したところ、みるみる良くなり70歳を超える王妃に隣国ポーランドの王子が求婚したという逸話。
のちに「若返りの水(ハンガリアンウォーター、ハンガリー王妃の水)」として有名になりました。


大航海時代
12世紀以降、西ヨーロッパでは肉食の増加により味付けや保存に必要なコショウなどの香辛料の需要が高まりました。
当時の香辛料は同じ重さの銀と交換されるほど高価なものでした。
一方、十字軍の遠征によって東西文化の交流が盛んになった結果、ヨーロッパではルネサンスが興りました。
天文学・測量技術が発展し、羅針盤などの改良技術も発達し、遠洋航海が可能になったのです。
大きな勢力を持っていたスペインやポルトガルは香辛料の直接取引を求め、地中海を経由せずアジアへ行く航路を探し始めました。これが大航海時代(1380~1600年)の始まりです。







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